自動車レース中の事故で死の淵から生還された太田哲也(おおたてつや)さんを描くドキュメンタリー映画を観ました。
全身大火傷の瀕死の重体、危篤となり意識を失っていたとき、黒いマントを纏った死神に連れられてあの世に行きかけていたそうです。

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太田哲也さんの奥様は3年に渡る入院と治療の日々を振り返って、このように語っていました。

『火傷の自分の顔を見て、これからの自分の将来を思ったときに「自分はなんのために生きてんだ」って彼はよく言ってましたけど、人間が希望も無くなって自分の存在価値がどこにもないってなったとき、ほんとうにドン底になったときって自分のためだけには頑張れない。やっぱり家族がいたり、自分を愛してくれる人がいたりして頑張れたんだと思います』

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病院のベッドで黒焦げになった夫の姿を見たときの奥様の涙ながらの声援がホームビデオに記録されていました。

『てっちゃん、どんなことがあっても頑張ってよ。
てっちゃん、絶対に頑張ってよ。
しっかりしてよ、てっちゃん。
頑張って!
自分のためじゃなくて私のために頑張ってよ! てっちゃん・・』


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案外、人間って自分のためには強くは生きられないものなのかもしれません。
太田哲也さんご自身も映画のなかで語られていたことですが、
自分の欲求からのモチベーションだと、その困難さの前に絶望して「もういいや」って諦めてしまいがちなもの。
でも、ときに、信じられないような奇跡は起きるのですね。
その鍵となるのは心の支えとなるもの。
自分以外の「誰か」という存在にあるのでしょう。


芳久 #絶望のときに観る映画


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