人は誰しも何かしらのトラウマを持っているものでしょう。
さまざまな心理療法を実際に経験してきて思う大切なことは
トラウマ回復のプロセスは急いではならないことだと思うのです。

嫌な気持ちを早く消し去りたい。
そう思うのが人情というものですけども、
人の感情には法則があって、
時間を味方につけることが重要なポイントです。
心にはバランスを取る働きがありますから
恒常性維持機能ホメオスタシスが作用して
元の馴染んだ思考に戻ろうとする
そんな無意識の働きが起きることがあるものです。

よくあることとして例えますと
心が浄化されて清らかな気持ちになったのに
数日経ってまたネガティブな気持ちが出てきたり・・
心の揺れ戻しも起きうることを
あらかじめ理解しておくといいのでしょう。
大切なことは『自分を特別にしない』ことです。
特別に悪く解釈したり特別ダメだと判断したり、
自己批判の罠には気をつけて欲しいと思います。

多く、陥りやすい間違いとしてあるのは、
問題の原因は自分の弱さにあると
自分を恥じてしまうことです。

『なぜあのとき言い返せなかったのだろう・・』
『私が強い人間だったら違う結果になったのに・・』

そのような悔やむ気持ちが出てくるものですけども、
危機に際して人間の取る対処行動は『3つのF』であり、
そのどれもが無意識に生じる行動です。
・闘う(Fight)
・逃げる(Flight)
・固まる(Freeze)
なので、どの対処を選択したとしても、
自分を責めることは間違いなのです。
むしろ、一連の体験的な出来事を乗り越えてきた
そんな自分を丸ごと受容し許すべきことなのです。

私たちは自分を許すことを通して成長していくもの。
自己受容が人を愛する土台ともなり、
そうして愛を深めていくものでしょう。
また、そうなりますと思うのですが、
トラウマは心の傷の象徴というよりも
自己受容と許しの象徴となるもの。
『痛みを超えて自分の未来を拓いていく実践になる』
そんなふうに思い至るのです。

誰もがトラウマと上手に付き合い、
なりたい自分の夢を実現できますように
芳久

IMG_2730